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【Half time Old】2ndフルアルバム『発見と疑問』オフィシャルインタビュー

2017/11/07 20:15 UP

「ロックンロールは死んだなんてさ~爺さん達のいい訳なんてさ聞きたかないよな」。Half time Old、2ndフルアルバム『発見と疑問』を通し、世の中の常識と非常識を「僕」の視点でぶった斬る!!!

昨年12月に発売した1stフルアルバム『人生の使い方』からちょうど1年ぶり、名古屋をベースに活動中のHalf time Oldが、12月6日(水)に2ndフルアルバム『発見と疑問』を発売する。
2011年にバンドは誕生、2015年、現在の体制になったのをきっかけに、Half time Oldは全国を舞台に精力的にライブ活動を開始。心に疼く感情を揺れ動くままに記したヴォーカル鬼頭大晴の歌詞、ポップでメロディアスな歌ながら、エッジの効いた小鹿雄一朗のギターとタイトな阪西暢のドラムビートが熱く身体を揺らすことから、歌心踊るロックバンドとしての評価を高めてきた。昨年発売した1stフルアルバム『人生の使い方』は、それまでの彼らの歩みを集大成しつつ、「これがHalf time Oldだ」と知らしめた作品として高い評価を獲得。
その頃の鬼頭大晴は「僕と君」という視点を中心に、身近な日常生活の中にある心の揺れや感情の機微を形にしてゆくことが主だった。「僕」という1メートルにも満たない世界の中で生まれ感じた、愛しい人のことや、夢を追い求める中での希望や葛藤を歌にしてきた。
最新作となる2ndフルアルバム『発見と疑問』でも鬼頭大晴は、「僕」という視点を軸に置いている。ただし、彼の見ている視点は、自身の1メートル圏内を飛び越え、より「外」へと向きだした。
 3人はどんな想いでアルバム『発見と疑問』を作り上げたのか、以下へ記そうか。

想いを向けた対象が広がったところは無意識の中あると思います。


――2ndフルアルバム『発見と疑問』が、完成。昨年12月に発売した1stフルアルバム『人生の使い方』からちょうど1年ぶりのリリースになります。収録した楽曲を聞いてて強く感じたのが、鬼頭さんが歌詞に綴る想いの視点が「僕と君」から「僕と○○」と一気に対象を広げたことなんです。
鬼頭 これまでと作詞や作曲の方法を変えたわけでもないように、僕の中では何かを変えようという意識はなかったんですけど。言われたように、想いを向けた対象が広がったところは無意識の中あったんだと思います。
――1年後に新しいアルバムを作るのは、以前から決めていたこと?
鬼頭 1stフルアルバム『人生の使い方』を作り終えた頃から、メンバー全員その意識を持っていました。ただ、1曲生み出すまでにもある程度の時間を要するように、収録した12曲を決まった期間の中で作りあげるのは正直大変でした。
阪西 前作の『人生の使い方』ではISAKICK(175R)さんにアレンジしていただいて楽曲を作りました。でも今回は、全曲セルフプロデュースで制作。すべてを3人でクリエイトしてゆくことへの大変さもありましたけど、同時に『発見と疑問』は、達成感と満足感を強く持てるアルバムにもなりました。ただ、楽曲を作っている大晴はけっこう大変だったようだけど…。
鬼頭 1曲生み出しては、作ったデモ音源を元に3人でスタジオで煮詰めての作業を繰り返し続けました。しかも、ある程度期間を定めた中で一気に十数曲も作るのは初めての経験。アルバムへは12曲を収録したんですけど、1曲作りあげ新たな楽曲制作へ向かうとき、たまに前に作った曲の匂いへ引き寄せられてしまうこともありました。自分でも、「なんか先に作った曲と似ているな」と思い繋げてみたら、それが新しい1曲になったり。そんな作業も含めながら、アルバム用の楽曲制作を行い続けてきました。
収録した楽曲のほとんどがここ1年内に作った曲たちなんですけど、中にはストックしていた楽曲も2曲収録しています。それが『ハミングオンザストリート』と『虹を目指して』。とくに『虹を目指して』は、当時1コーラスのみを作りながらも、続きがまったく書けなかったことから保留していた楽曲。今回続きを書こうと取りかかったら、意外とすんなりと完成まで持っていけました。

アルバムを通して聞いてても、どれ一つとして曲の印象が重ならない。そこが大晴の作る曲の強みなんだと思います。


――阪西さんと小鹿さんは、鬼頭さんが持ってきた楽曲へどんな印象を覚えていました?
阪西 これまでの作品でもそうでしたけど、毎回持ってくる楽曲が先に持ってきた曲とは良い意味で似てないというか、収録したすべての楽曲にオリジナリティがあふれているんですよ。すごいのが、それぞれの曲の色や個性が強いせいか、楽曲アレンジを詰めてゆく中一つとして同じ表情に仕上がることがない。結果、アルバムを通して聞いてても、どれ一つとして曲の印象が重ならない。そこが大晴の作る曲の強みなんだと思います。
小鹿 先に歌詞の面で言うなら、これまでの大晴の歌詞はいろんな捉え方の出来る内容が多かったけど、今回は彼の想いがわかりやすく伝わるように、そこが変わった面。楽曲は、暢も語っていたように、同じアプローチは一つもないようにどの曲もクオリティが高ければ、3人でアレンジしていくときも「同じようなアプローチにはしない」意識を持ってすべての楽曲を作りあげました。
結果、1stフルアルバム『人生の使い方』以上にロック色が強く出たというか。けっこう激しめの楽曲が多くなったと思います。
――2ndフルアルバム『発見と疑問』に収録した曲たちを通して感じた一つが、鬼頭さん自身が、改めて音楽の存在と真正面から向き合っていること。
鬼頭 今回のアルバムを作る中、改めて音楽の存在と向き合った面はありました。『愛してるよ』に込めた想いは、まさにそう。この歌は人に対して「愛してるよ」と言ってるのではなく、音楽に対して「愛してるよ」と想いをぶつけた内容。歌詞は、かなりストレートに書きました。
――音楽で飯を食っていきたい気持ちも、『愛してるよ』へは投影していますよね。
鬼頭 その通りです。そう思ったからこそ書いたんで。
――活動を続けていく中、結果を出さなきゃと焦る気持ちもある?
阪西 3人ともあるし、僕個人は焦りまくりですよ。のんびりマイペースで進むのが似合うバンドもいるように、それぞれ進むペースは様々だと思います。Half time Oldのメンバーは焦りを表に出すタイプではないだけで、「もっと結果を残せるように頑張らなきゃ」という気持ちは全員が持っています。もちろん、音楽だけで飯を食っていければベストですけど。今は、日々の生活とバンド活動のバランスもいろいろ考えなきゃいけない時期。僕らも20代中盤の年齢に差しかかってきたせいか、僕らも含め、身近にいる仲間たちの取り巻く環境も、ここ2-3年でいろいろ変わってきていますからね。
鬼頭 上へ行きたい気持ちを強く持っているからこそ、自然とそういう曲たちを書いてしまったんでしょうね。もちろん焦りはあるんですけど。でも、自分らに出来ることは「良い曲を書いて、それを届けてゆくこと」だと思ってる。
小鹿 そうだね。気持ちが焦るときもあるけど、そのときの状況やバンドを取り巻く環境次第で心の持ちようだって日々変わってゆくこと。とにかく頑張るのみです。

いろんなアドバイスの言葉があるからこそ、自分でしっかり答えを出していけ。


――Half time Oldは、8月に無料サンプラーCDを配布していましたよね。そこへ収録した曲たちが、アルバム『発見と疑問』でも中心を成す曲たち。だから、先に大勢の人たちへ聴かせる形を取ったのでしょうか?
鬼頭 あのサンプラーへ収録したのは、今回のアルバム制作時の初期に出来た曲たち。それが『アドホック』『愛してる』と、弾き語りで1コーラスのみ収録した『道』の3曲。『アドホック』と『愛してる』は、その後のアルバム制作へ進むうえでの軸に相応しい楽曲であったのは確かです。だから『アドホック』はアルバムの1曲目を飾る楽曲になったわけだし。
――アルバム『発見と疑問』へは、「人が何を言おうと自分は自分」という意志を示した曲たちも多く収録していますよね。
鬼頭 それは今回に限らず、自分自身の中へ昔からある意識なんだと思う。
――『忠犬ヒト公』など、その辺を上手く揶揄していません?
鬼頭 ライブハウスを中心に全国を舞台に活動していると、ライブ後に各地の箱の方々といろんなお話をする機会をいただけるんですけど。とある人は「上を向いて歩け」と言えば、別の方は「足元に気をつけろ」とまったく違う意見やアドバイスをしてくれる。Half time Oldのことを昔から定期的に見てくれている人の場合、印象が変わるたびに、その時期に適したアドバイスをしてくれる。そうやっていろいろ気にかけてくださることが僕らとしては嬉しいんですけど。同時に、いろんな言葉があるからこそ、自分でしっかり答えを出していけ、自分は自分なんだからとも考えさせられる。その想いを、ここには書き記しました。
――社会の中で揉まれながらも必死に自分を鼓舞してゆく『LIFE LIFE LIFE』など、アルバム『発見と疑問』には自分自身と対峙してゆく楽曲もいろいろ入っています。そう考えたら、3年前に生まれた『ハミングオンザストリート』は、歌詞や曲調も含め、本作の傾向とはちょっと異なる視点を向いているなと改めて感じました。
鬼頭 『ハミングオンザストリート』に関しては、あえて3年前に作った当時のまま、今の自分たちの演奏で再現した形ですからね。確かに、他の楽曲たちと比べたら楽観視した考え方をしているように感じるよう、それだけこの3年間で僕らが大人になったということなんでしょうね。

「人にはいろんな生き方があれば、その一人一人がドラマチックな人生を生きている」という想いを言葉にしたくて。


――完成した2ndフルアルバム『発見と疑問』の手応えを聴かせてください。
阪西 このアルバムには激しいロックな楽曲も収録しているように、それが、今の自分たちにフィットする音楽性なんでしょうね。過去に作り上げた楽曲や作品に負けてないどころか、良い形で自分たちを自己更新した作品になりました。
小鹿 確かに、今回のアルバムではロック色が強くなったね。1stフルアルバム『人生の使い方』に投影したポップで聴きやすい表情も好きなんだけど。もともと激しい楽曲が好きだった理由もあって、『発見と疑問』は毎日のように聞いているお気に入りのアルバムです 。
鬼頭 この1年間の中で作り上げた楽曲がほとんどのように、この1年間を思い返せるアルバムになりました。『アウトフォーカス』には友達のことを書いたんですけど、最近、高校時代など10代の頃からの付き合いの友達と呑みに行く機会が増えています。各々がいろんな仕事をしていれば、日々の生活での悩みを僕に相談してくることも多いんですね。みんな、自分とはぜんぜん違う立場の中、いろんなことで日々悩んでいる。そういう相談に乗りながら、「人にはいろんな生き方があれば、その一人一人がドラマチックな人生を生きている」という想いを言葉にしたくて『アウトフォーカス』の歌詞を書きました。
ただし、僕の書いた歌詞に関しては、聴いた人それぞれ自由に解釈し捉えて欲しい。むしろ僕は、「この歌詞はこういう想いだよ」という真意は伝えたくないと思ってる。そのほうが、聴いた人それぞれ自由に解釈が広がるように、それが音楽として一番良い形なんだと思います。
――確かに。『メイサイ』だって、「これは恋愛の歌?、それとも自分が旅立ってからの歌??」といろいろ想像を膨らませてしまいましたからね。
鬼頭 そこは、素直に恋愛の歌として捉えてもらってもいいし、何かを例えてる歌として聞いてもらっても嬉しいよう、自由に解釈してもらいたいですね。
――アルバムの最期に、BONUS TRACKとして『シューティングスター(Piano Arrenge Ver)』を収録しました。あのアレンジが、心をグッと泣き濡らしてくれるから大好きなんです。
小鹿 あの楽曲アレンジはめちゃくちゃいいですよね。
鬼頭 ピアノアレンジをした『シューティングスター』は、アルバム『発見と疑問』のサンプラーCD用にと思って録ったんですけど。思いの外出来が良くてアルバムへ入れることにしました。
小鹿 ピアノだけの演奏だからこそ、余計に歌詞と歌声が心へ染み込んでくるんですよ。これ、聴いてて「むっちゃいいな」と思ってました。

発見と疑問を繰り返し、その人なりの答えを出してくれることが嬉しいからこそ、その想いを『発見と疑問』というタイトルに込めました。


――なぜタイトルへ『発見と疑問』と付けたのか、その意味と理由も聴かせてください。
鬼頭 1曲1曲の制作へ向かうたびに、「今回は何について書こう?」とテーマを見つけては書き、書いてく中でいろんな気づきや発見があれば、書きながら疑問に思うことも出てきます。その疑問を突き詰め、自分なりに答えを導きながら楽曲へ仕上げてゆく。それを繰り返しながら、次々と楽曲を生み続けました。そういう曲たちを詰め込んだアルバムだからこそ、聴いた人たちが1曲1曲の中から新たな発見をしてもらったり、それに対して新たな疑問を抱き、自分なりの答えを導き出してもらいたい。その答えは、僕が出した答えと違っててまったく構わない。むしろ、そうやって発見と疑問を繰り返し、その人なりの答えを出してくれることが嬉しいからこそ、その想いを『発見と疑問』というタイトルに込めました。
阪西 このアルバムへ収録した曲たちに対して、お客さんたちがライブでどんな風に反応を示してくれるのかも僕らは楽しみにしているんです。
――ツアーは、来年1月からのスタートになるんですね。
阪西 アルバム『発見と疑問』を冠にした全国ツアーはそうなりますが、年内も、ツアーの合間にも数多くライブを入れています。アルバム『発見と疑問』というCDは完成しましたが、未だ生まれたばかりの赤ちゃんだと思うんですよね。だから、ライブを通して、アルバムに収録されたすべての楽曲を演奏しながら育て上げ、2018年5月26日に大須ell.FITS ALLで行うワンマンライブのときには成長した曲たちをたっぷり届けたいと思っています。むしろワンマンまでに、より大きな存在へと成長し、多くの人たちにHalf time Oldの音楽に触れてもらえる存在になって欲しいなと思ってる。僕らの音楽は、いろんな世代の人たちの心へ響く音楽。だからこそ、もっともっと広げていきたいんですよ。
小鹿 Half time Oldの音楽を聴いてくれる人たちの幅が広がればいいなとは、何時も願っていることだからね。
――最後に、それぞれメッセージをお願いします。
阪西 『発見と疑問』というアルバムは、ライブハウス向けというか、「もっと激しくライブで盛り上がっていいんだぜ」と誘いをかける作品になりました。このアルバムを通し、今まで以上に男性ファンも増えていくんじゃないかと期待しています。
鬼頭 「「歌詞カードを読みながら聴いてます」と言う声が届くように、Half time Oldのファンは想いをしっかり受け止めてくれる人たちがとても多い。アルバム『発見と疑問』に収録した曲たちも気に入ってる歌詞ばかりのように、ひと文字ひと文字じっくり読みながら聴いてください」
小鹿 もちろん、歌詞も目にして欲しいんですけど。耳に響く演奏だけでも気持ちが震え立つように、ライブで活きる曲たちが多いのもアルバム『発見と疑問』の特色なんです。幅広い層の人たちに届く内容になったアルバムだからこそ、いろんな人たちに聞いて欲しいし、いろんな世代の人たちに広めて欲しい。

TEXT:長澤智典